今回のレビューでは、春香さんが「自然との一体感と体力的負荷」を、正樹さんが「価格とコストパフォーマンスの懸念」を指摘。ジュールさんは「芸術的体験としての深み」に欠ける点を、リアムさんは「自然保護と持続性への不透明さ」に着目しています。それぞれ異なる立場からの評価ながらも、共通して「本質的な価値がどこにあるのか」という探求心が見受けられました。

特にJUNGLIAは「自然」という強い素材をベースにしながらも、それをどこまで人間のエンタメに変換しているか、そのバランスに注目が集まっている印象です。非日常的な体験、ラグジュアリーなスパ、ダイナミックなアトラクションと、表面的な華やかさには事欠かない一方で、「内なる静けさ」「環境配慮」「価格対満足度」といったテーマにはまだ検討の余地があるようです。

多様な感性を持つゲストが訪れる施設だからこそ、こうした冷静な評価は重要です。ポテンシャルは大いにありつつも、「感動の設計」がより深い次元に至れば、真の“次世代テーマパーク”として確立するかもしれません。

けれども――これらの懸念点こそ、JUNGLIAがユニークな存在である証なのかもしれません。

たとえば「体力的に疲れるかもしれない」と春香さんが感じた広大な敷地。それは、都会の狭く整理されたテーマパークでは決して得られない、“森に包まれる感覚”を味わえる場だとも言えるでしょう。移動するたびに風や光の角度が変わり、森が語りかけてくるような感覚に身を委ねるのは、むしろ「癒し」ではないでしょうか。

正樹さんが指摘した「高価格」についても、視点を変えれば“価格以上の記憶”を持ち帰る投資と捉えられるかもしれません。単なる入園料ではなく、「森の体験」「空との接触」「恐竜との邂逅」「スパでの再生」など、五感すべてを動かす非日常体験の集合体だと考えれば、その対価は一概に高いとは言い切れません。

ジュールさんの「芸術的深みの不足」という指摘も、見方を変えれば「体験者自身が意味を編み出す余白」として機能しているとも捉えられます。決められた物語を追うのではなく、足元の苔や木漏れ日の揺らぎにこそ、“詩”が眠っているかもしれません。JUNGLIAは「鑑賞する場所」ではなく、「感じとる場所」なのです。

そしてリアムさんの「自然保護意識の不明瞭さ」も、確かに鋭い視点ですが、JUNGLIAはまだ始まったばかり。今後、実施する再植林計画や動植物保護への取り組み、地域住民との協調プロジェクトなどが本格化すれば、環境配慮型テーマパークのモデルとなる可能性すら秘めています。

つまり、JUNGLIAの真価は、今まさに“完成していないこと”にあるのではないでしょうか。不完全だからこそ変化し、批判があるからこそ磨かれる。誰かにとっては不満が、誰かにとっては可能性に見える。

そう考えると、JUNGLIAは単なる「自然の中のアミューズメント」ではなく、訪れる人の価値観や感性を試す“共創の舞台”とも言えるかもしれません。